2020年の保護鳥獣は鳥類28種(86件)、哺乳類2種(4件)でした。
搬入後の転帰は、鳥類では死亡率53.5%、放鳥22.1%、発見者やボランティアの方による一時的飼育が24.4%でした。
哺乳類では、死亡率50%、放獣25%、発見者やボランティアの方による一時的飼育が25%でした。
今回は、前年(80件)と比べて搬入件数が12.5%増加し、過去10年の平均搬入件数(118.5件)の平均よりは24%低い結果でした。前年との搬入件数の差は主にスズメ(+16件)であると考えられます。
また、今回初めて保護された種はヒクイナで、保護理由は猫からの救出でした。
今年は新型コロナウイルスの流行に伴う外出自粛の影響で、保護件数は少なくなることが予想されておりましたが、例年多いヒナの保護時期が緊急事態宣言の解除後と重なっていた事と、巣ごとの保護が多かった事により上半期の件数の差はほとんど見られませんでした。
しかし、11月から鳥インフルエンザウイルスの流行に伴い野鳥の猛禽類、水鳥の受け入れができなくなったことで、11月・12月の保護件数が1件のみになり例年より少ない結果となったと考えられます。
今年はすべての人が感染症対策に常に気を配る年になりました。鳥インフルエンザで一部鳥類の受け入れができなくなってからお断りした問い合わせも2~3件程度に止まり、住民の方々の野生動物と感染症に対する意識が少し強くなったのではないかと感じます。
withコロナの状況が長く続くことは望んでいませんが、今後も人々が感染症について正しく理解し、野生動物と適切な距離を保って暮らすという意識が根付いてほしいと願っています。