野鳥の雛を保護した時
まず保温してください。
ダンボール箱に入れて湯たんぽやヒーター等を使用して、28℃~32℃位に暖めます。
必ず温度計を入れて温度の確認をしてください。
湿度は50~60%位が適当です。
エサ
最初は、スポーツドリンクにハチミツを少し混ぜ、スポイトで少量づつ口に含ませ鳥を落ち着かせます。
住宅街で保護される鳥の雛に特殊な鳥は少ないと思います。
カラス、スズメ、ツバメ、ヒヨドリ、ムクドリ、ハト、シジュウカラなどが多いと思います。
ツバメ、ムクドリ、シジュウカラの雛
7分のすり餌を、味噌より少し柔らかく練って小松菜を混ぜ、へらで与えます。クモや青虫も与えると良いでしょう。
シジュウカラではピーナッツや麻の実を粉にして、少量混ぜましょう。
カラス、ヒヨドリ
5分のすり餌を与えます。ヒヨドリはかなり植物食の強い鳥で、ビタミン不足による栄養障害を起こしやすい鳥ですので、果物や小松菜を多く混ぜて与えてください。
スズメ
7分の餌でツバメと同じ様に育てるか、手乗り文鳥と同じように、粟玉を主食にしても育ちます。
但し、粟玉は必ずひと煮立ちさせてから与えてください。冷ました後、必ず小松菜などの青菜を擦ったものを混ぜて与えます。
ハト
3分餌、もしくは母乳アレルギーの子のためにできた、人の赤ちゃん用の大豆蛋白のミルク のほか、フォミュラーという手乗りの鳥のための流動食などを与えます。
いずれの鳥もなるべく早く自分で成鳥の餌を食べるようにしましょう。
ヒヨドリとハトは自分で食べるようになるまでにかなり時間がかかります。
成鳥を保護した時
ハト、カラス、スズメを除き、餌付けが一番問題になります。
基本的には籠に入れた場合、鳥の回りを風呂敷等で覆い落ち着かせます。
水は与えずにすり餌をゆるく溶き、青虫や、クモ、ミルウォーム、ゆで卵の黄身等を乗せます。
また、果実、粒餌を乗せるとよい種類もいます。
甘みを付けると餌付き易くなります。餌の所は明るく他は少し薄暗くします。
しばらくして、すり餌の上の虫がなくなっていれば次に、虫をすり餌に少し埋め込み様子を見ます。
虫を食べてすり餌の上の部分に突ついた痕ができてきたら、もう虫は乗せません。
5日から7日ですり餌だけで食べるようになれば餌付けができました。
但し、鳥の種類によっては苦労するものも多いです。
ムクドリ 5分餌
ヒヨドリ 3分餌か九官鳥の餌
ツバメ 5分から7分餌
いずれのすり餌も小松菜を混ぜてやります。
ミルワームも与えますが、一日1~2匹までにしてください。栄養バランスが非常に偏っています。
家の周りでクモや青虫が取れれば、そのような虫も与えると良いでしょう。
スズメ 5分餌か殻付きの文鳥の餌 時々昆虫もあげてください。
ハト 市販のハトの餌
植物食の鳥ですので昆虫をあげる必要はありません。
シジュウカラ 4分から5分餌に、ピーナッツや麻の実、 松の実、クルミの粉などを少量加えます。
多すぎると、脂肪過多を起こします。
カラス 雑食性ですので、3分餌か九官鳥の餌を基本に、ドッグフード等を時々与えます。
厳密にいいますと、その鳥の栄養状態、年齢、季節等で必要カロリーが異なりますので、
一年中同じ強さのすり餌を与えるのは、好ましくはありません。
※ 注意 ※
パンと牛乳を与える方がおりますが、鳥は哺乳動物ではありませんので、牛乳を消化吸収できません。
そのため、下痢を起こしやすくなります。
パンはそ嚢の中で発酵しやすく、そ嚢炎をおこす可能性があります。
ご飯も多く与えすぎるとそ嚢炎を起こします。
基本的に、人の食べ物は鳥の食べ物ではありません。
間違った食事を与えることで、鳥が栄養障害を起こしてしまう例が多々見られます。
果物ではアボカドが中毒を起こすことがわかっています。
似たような鳥でも種類によって必要な栄養が全く異なることがあります。
また、人の手で育てると愛情が湧いて、放鳥しづらいかもしれませんが自然に帰せる状態になった際には、必ず放鳥して下さい。