↑ Return to ウサギのページ

ウサギの飼い方について

【ケージ】

野生下では土に穴を掘り、穴の中に住んでいる動物です。 屋外で飼う場合は、フェンス等で囲み、床材は土を使います。

しかし、穴を掘って逃げてしまう事があるので、コンクリート等を底に敷き詰め、穴があかないようにしてから土を敷くと良いでしょう。

屋内で飼育する場合もなるべく下に潜れるようなケージが望ましく、上に登るタイプのケージは避けたほうが良いでしょう。

屋内 ・屋外どちらで飼育する場合も床材は硬いものは避け、軟らかなものを敷き詰めてあげると良いでしょう。

ただし、針葉樹で作られたチップはアレルギー疾患を引き起こす可能性がある為避けたほうが無難です。

 


【床材】

床材に使われる主な素材

・土

・砂

・牧草、ワラ等 

アレルギー性の結膜炎等を起こすことがあるので、ふるいにかけて細かい粉を飛ばしてから使用してください。

 

好ましくないもの … 金網、すのこ、フローリングなど、硬い材質のもの

注意:床材が硬いと足底部がすれて炎症を起こし、化膿してしまう事があるので注意してください。

 


【エサ】

元々は野草を食べている動物ですから繊維がたっぷりある植物を餌にするのが望ましいです。

乾草 (牧草) や野菜、通販などで生牧草を用意し与えると良いでしょう。

広く市販されているペレットは、野菜や牧草に比べ高カロリーかつ低繊維です。そのため、不正咬合、毛球症、肥満、高カルシウム尿症などといった疾患を誘引する可能性が高くなるので、多給は避けましょう。

 ペレット (ラビットフード)

牧草、野菜に比べ高カロリーかつ低繊維です。現在、大半のウサギはペレットが主食となっていると思います。

しかも野生のウサギと比べ運動量は遥かに少ないですから、高カロリーのペレットだけではすぐに肥満になってしまいます。

実際、来院するウサギのほとんどは肥満傾向にあります。最近では低カロリーフードも市販されていますが、それでも干草などに比べカロリーは高いです。

また、繊維分が少ないため、腸の動きが弱まり、消化管の病気を引き起こしやすくなります。

その他、ペレットを主食にしているウサギに起こりやすいのが歯の疾患です。

ペレットは口の中で唾液と混ざるとすぐにふやけて柔らかくなってしまうため、奥歯で良く咀嚼しなくても容易に飲み込めてしまいます。

そのため臼歯が磨り減るよりも伸びるスピードのほうが速くなり、臼歯の過長からやがて臼歯の不正咬合へと進行してしまいます。

 

このようにペレットだけ、もしくはペレット主体の食生活をしていると、臼歯不正交合、毛球症のほか、肥満による内臓脂肪の増加で腸管が圧迫され、食欲が低下するなど、様々な病気の引き金となります。

 

実際、ラビットフードの多給が誘引する病気で当院に来院されるケースが多く見られます。

できるだけラビットフードは 一日の食餌全体の3割以下にするようにしましょう。   

牧草(乾草)  

チモシー(イネ科)  低カロリー、低カルシウムで繊維分も豊富。

アルファルファより嗜好性は落ちますが、主食としてはチモシーのほうが良いでしょう。 

特に6ヶ月~1歳を過ぎたウサギはチモシーをメインにしてください。

アルファルファ(マメ科) 

チモシーに比べ高カロリー、高カルシウムですが、嗜好性がチモシーと比較し高い傾向にあります。

成熟してからのアルファルファの多給は肥満や高カルシウム尿症、結石などを引き起こすことになるので注意しましょう。

生牧草 

チモシー同様イネ科のものであれば、低カロリーで線維分も多く、乾燥させたものに比べ嗜好性も高いです。

また、栄養価も干草に比べ高いです。 (四街道市にある中央牧草センターで生牧草を取り寄せることができます) 

野菜

青菜がよいですが、カルシウム含量の多い野菜はウサギの場合、高カルシウム尿症、結石などを起こしやすくなるので注意してください。

また野菜は水分量が多く、量のわりに繊維分が不足してしまいます。

あくまでも副菜として考え、主食にはしないようにしてください。

野草

タンポポ、ハコベ、ナズナ、クズ、イネ科の野草、クローバーなど。 
(ただし豆科の植物は多給は避けた方が望ましい)

注意:食べると中毒を起こす野草があるので、与える際は本などでよく確認してください。
(例:ワラビ、キョウチクトウ、セイタカアワダチソウ、シャクナゲ、スイセン etc.)

また、観葉植物、園芸植物は毒を含む植物が数多くある為、避けたほうが良いでしょう。

 


【食欲が落ちてしまったら】

もし食欲がなくなってしまっている場合、 草食動物は絶食に大変弱い動物です。

そのため、えさを少しずつでも毎日食べることがとても大切なことです。

自分でえさを食べない場合は飼主さんががんばって食べさせてあげなければなりません。

方法としては、ペレットをふやかしたものを作ります。

ふやかしたえさを練って流動食を作り、それを少しずつ口の中に入れてあげます。

タオルなどで体をくるみ、頭だけ出した状態にするとあげやすいかと思います。

ふやかしたペレットに野菜をすりおろしたものを混ぜたり、野菜ジュース、豆乳などもあげてもよいでしょう。

一日数回これを繰り返してください。 そして早めに動物病院で診察を受け、食欲が落ちた原因を検査してもらってください。

薬や注射も大切ですが、それと同様、時にはそれ以上に、えさを食べるということは病気の回復に大きなウェイトを占めてきます。 そのため、食欲がなくなってきたときは、元気であっても決して油断せず、状態によってできるだけ早めに動物病院で診察を受けるようにしてください。

決して何日も食べないまま、なにもせず様子を見るということだけはしないでください!