↑ Return to 主なウサギの病気

毛球症

ウサギが食欲不振で動物病院に来院する原因として、不正咬合と毛球症は大変多い疾患です。

毛球症とは、胃や腸管の中に入った毛や絨毯などかじったものが排泄できず詰まってしまい、通過障害を起こすことで食欲がなくなってしまう病気です。

ウサギは毛を消化することができなく、多量に取る食物繊維によって便として排泄しています。

ところが、ペレットを主食にしていると、食物繊維の摂取量が少ないため、うまく毛を排泄しきれずたまっていってしまいます。

腸管内に詰まってくると徐々に食欲がなくなり、二次的に胃や腸の動きが弱まってしまうため、さらに排泄されにくくなってしまいます。

 


【治療方法】

治療としては毛玉を排泄させやすくする潤滑剤や、消化管の動きを促進させる薬を用います。

外科的に腸管を切開し、取り出すこともできますが、ウサギの場合、腸管を切るような手術を行うと、予後があまりよくありません。
そのため、当院ではできるだけ内科的に治療を行っています。

毛球症を予防する方法として効果的なのは、繊維の豊富な牧草をたくさん食べさせることです。

特にイネ科のチモシーは繊維分を多く含んでいますから、チモシーを主食にするようにしましょう。

また、長毛、短毛問わず、この病気は起こりますので、ブラッシングはこまめに行ってあげてください。

その他、病院で処方している毛玉の排泄を促す潤滑剤を定期的に与えることも予防につながります。